生理前の胸の張りや痛みは軽減できる? PMSを改善する5つの食材

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

生理前になると憂鬱になったり、胸の張りや痛みなどが出るのがPMS(月経前症候群)。PMSの症状を軽減できる食材をご紹介します。

生理前の胸の張りや痛みは軽減できる? PMSを改善する5つの食材

毎月の悩みにさよなら! 食べ物で「PMS(月経前症候群)」を緩和

「PMS(月経前症候群)」とは、生理の3~10日前からおこる症状で、生理がくると悩まされていた症状も消えるのが特徴です。原因は、女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の過剰分泌とされています。胸が大きくなって張り、痛みを感じる場合もあります。この時期は、子供を作るために準備をする期間のため、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が乳腺を発達させようとするからです。

ほかにも、「PMS(月経前症候群)」には、憂鬱、イライラしやすい、胃痛、食欲増進または減退、貧血、便秘、むくみ、頭痛、腹痛など、さまざま症状があります。症状には個人差がある上に、月ごとに症状が異なる場合もあります。

また、生理前は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが低下し、血糖値が上がります。この上がった血糖値を下げるために通常よりも大量のインスリンが必要になりますが、逆に食後2~3時間になると、低血糖になりやすく。血糖値が下がると、また異常な食欲が出たり、イライラしたりといった症状が出ます。血糖値を安定させることが、PMSの緩和につながります。

「PMS(月経前症候群)」の時に、積極的にとりたい5つの食材がこちら。普段からも取り入れることで、症状の緩和に効果があるとされています。

<PMSを改善する5つの食材>

1、大豆製品

大豆製品にはイソフラボンが含まれています。イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きが。1日200mlを目安に摂ると女性ホルモンのバランスが整うと言われています。

2、ごま、アーモンドなどのナッツ類

ホルモンバランスを整えるビタミンEが豊富。

3、カツオ、サケなど魚類

魚類にはビタミンB6がたっぷり。ビタミンB6は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の合成につながり、心を安定させます。

4、ひじき、わかめなど海藻類

マグネシウムを多く含む海藻類はPMS(月経前症候群)の緩和に。

5、バナナ

バナナにはカリウムが含まれており、生理前の体のむくみを解消してくれます。生理前の便秘解消にも効果が。

6、玄米

マグネシウムと食物繊維が豊富。血糖値が上がりにくいので、生理前の食欲を抑えることができます。

「PMS(月経前症候群)」の症状には個人差があり、人との比較もしにくいもの。食事の改善のみで緩和できない場合もあります。毎月、生理前になると普段の生活に支障が出るほど悩まされる人は、一度婦人科を受診しましょう。




朝起きるのがつらいのは血圧の低さが原因? 女性に多い低血圧の症状

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

もっとみる

(編集・制作 (株)法研

規則正しい生活リズムで快適な毎日を! 朝型生活とバランスのよい食事、血行をよくする運動を続けることで症状を軽く

原因のはっきりしない本態性低血圧の人がほとんど

「低血圧だから朝起きられない」という人、若い女性には結構多いようです。低血圧の人には、ほかにもめまいや立ちくらみ、頭痛、肩こり、疲れやすい、体がだるい、気力がわかないなど、さまざまな症状がみられます。そして春から夏にかけて、症状は強くなることが多いのです。

低血圧とは血圧が正常値を下回っていること。特に決まった基準はありませんが、一般的に最大血圧が100mmHg以下の場合を低血圧といい、次の3種類に分けられます。

●本態性低血圧
特に原因が見当たらず、体質的なものと考えられている。症状がひどくなければ治療の必要はない
●二次性低血圧
がん、貧血、甲状腺機能低下症など、何らかの病気が原因で起こる。原因に対する治療が必要
●起立性低血圧
急に起き上がったり、長時間立ち続けたときに血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどを起こすもので、たびたび起こる場合は受診が必要

低血圧といわれる人のほとんどは本態性低血圧で、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ることはまれです。しかし、初めにあげたような症状が起こりやすく、つらいのも事実です。

なぜ血圧が低いと、このような症状が起こるのでしょうか? 最大血圧の数値は、心臓が血液を全身へ送り出すときに、血管の壁にかかる圧力を示していますが、その圧力が低い低血圧の人は、血液を押し出す力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。血行が悪いと、血流にのって運ばれる栄養や酸素が体のすみずみまで行き届かず、疲労物質を速やかに流すことができないため、疲れやすく、さまざまな症状が現れるのです。夏に症状が強く出やすいのは、気温が高くなると血管がゆるみ、血圧が下がるためです。

でも、「体質だからしかたない」とあきらめないで! 症状を軽くして快適な毎日を送るにはどうしたらいいか、考えていきましょう。

夜型生活がいっそうの体調不良をもたらす

血圧は眠っているとき低くなり、朝目覚めるころだんだん高くなりますが、低血圧の人はこの血圧の上昇がうまくいかないため、朝起きるのがつらかったり、だるかったりします。起きて活動しているうちに血圧も上がって、夕方から夜にかけては人より元気になったりする人もいます。このため、つらさをわかってもらえないだけでなく、病気でもないのに怠けている、甘いなどと思われがちなのも低血圧のつらいところ。

しかし、朝弱いからと夜型の生活を続けていてはだめ! 夜更かしすれば朝はますます起きるのがつらくなり、午前中をボーっと過ごしてまた夜更かしといった悪循環に陥ってしまいます。低血圧だからこそ早く起きて、血液循環をよくしてあげることが大切なのです。

急に生活リズムを変えるのは大変ですが、少しずつ夜寝る時間を早くしていきましょう。朝起きるときはゆっくり起き上がること。急に起き上がると脳貧血の状態になりやすく、低血圧の症状をひきずってしまうため、ゆっくり時間をかけて起き上がるようにします。ちょっとした工夫で、すっきり目覚めることができるようになります。

●寝たまま手足を上に上げてバタバタさせたり、仰向けでばんざいをして、手足で引っ張り合うようにぐーんと伸びをしたり、軽くストレッチをしてから起き上がる
●カーテンを開けて朝日を浴びる
●朝ごはんをしっかり食べる
●時間があるなら熱めのシャワーを浴びるのもよい

日常生活ではこんなことに気をつけて

低血圧の症状をやわらげるには、規則正しい生活リズムとともに、血行をよくすることが大切。次のような点に気をつけましょう。

●食事は3食バランスよく。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂質などをしっかり
●適度な運動を続ける。激しい運動は動悸(どうき)やふらつきを起こしたりするので軽い運動を。ストレッチや体操、ウォーキング、水泳など、少しずつでも続けることが大切
●汗をかいたら十分水分をとり、塩分を補給。塩分が不足すると血圧が下がりやすい
●体を冷やさず、暖める。ただし、長いお風呂は血圧を下げるため禁物
●ストレスをためない。低血圧の人はストレスがたまると胃の不調を起こしやすく、肩こり、頭痛の症状を悪化させやすい
●夏バテに注意。普通の人より疲れやすく食欲も低下しやすいため特に気をつける。冷房対策はしっかり

高血圧はほうっておくと心臓病や脳血管障害などのさまざまな病気の引き金になるのに対し、低血圧自体は直接病気を起こす原因にはならず、むしろ低血圧の人は長生きできると言われるほどです。あまり気にせず、上手につきあっていきましょう。

それでも症状がつらい人は、お医者さんに相談を。お薬や加圧バンドなどで症状を軽くする治療もあります。

※この記事は2007年7月に配信された記事です

続きを読む




生理不順は病気のサインー生理周期が何日間だと注意が必要?

【お話を伺った人】中村 理英子先生

中村クリニック院長 1946年生まれ。1970年東邦大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室に入局。1991年より、東京・下北沢に中村クリニック(産婦人科・内科・皮膚科)を開設。女性誌などでも女性の…

もっとみる

(編集・制作 (株)法研

月経周期の異常を放っておくと、不妊症や無月経の原因にも。ストレスや無理なダイエットも月経不順の原因に。基礎体温をつけて早期発見、早期治療。

注意が必要な頻発月経と稀発月経

女性のみなさんは自分の月経が何日周期なのか、正確に言えますか? 毎月のことなのに、意外と正確なことを知らないのが月経に関すること。変だなと思っても、よほどのことでないと「病院へ行くのは面倒くさいし、人に聞くのも何だか……。」という人が多いのでは。しかし、月経には女性の体の異常が現れます。異常を早く見つけるためにも、自分の月経についてよく知っておく必要があるでしょう。

月経周期とは生理が始まった日から次の生理が始まる日までを言い、成人女性の場合、通常25~35日くらい。月経周期が毎月一定の人もいれば、ばらつきのある人もいます。年齢、環境の変化やストレス、体調などで周期が不規則になることがあっても、多少のばらつきは問題ありません。注意しなければいけないのは、周期が24日以内の頻発月経と、周期が36日以上の稀発(きはつ)月経、これらは病的な月経不順とされています。いずれの場合も、排卵がある場合(排卵性)とない場合(無排卵性)があり、どちらであるのか見極めることが大切です。

基礎体温表をつけて、自分の月経サイクルを知ろう

排卵があるかないかは、基礎体温表をつけて観察するとわかります。正常な基礎体温のパターンをみると、低温期と高温期の2層に分かれていて、月経から排卵までの約14日間は体温が低く、排卵後から次の月経までの約14日間は体温が高くなっています。
低温期は卵胞期(らんぽうき)ともいい、卵巣の中の卵胞から卵胞ホルモンが分泌されます。排卵が起こると、卵胞が黄体へ変化して黄体ホルモンを分泌、黄体ホルモンには体温を高める働きがあるため、基礎体温が上昇します。この高温期を黄体期といいます。月経と月経の間にまったく高温期がない場合、排卵がないと考えられます。

このように、基礎体温をつけることで排卵の有無や卵胞期と黄体期のリズムがわかり、月経の異常の原因を見つける手がかりとなります。受診するときは2カ月程度の基礎体温表を持参すると、診断の助けになります。

20~30代で無排卵ならば治療が必要となることも

頻発月経も稀発月経も、無排卵性は思春期や成人の女性にも見られます。思春期には卵巣機能が未熟なために、排卵のない頻発月経を起こすことがありますが、この場合成長に伴って排卵が順調に起こるようになるため、とくに治療の必要はありません。成人女性ではストレスなどによる卵巣機能の低下が原因となって起こることがあります。20~30代の女性の場合、無排卵が長く続けば不妊症になったり、体の不調を招く原因にもなるため、ホルモン剤や排卵誘発剤などによる治療が必要となります。

頻発月経で排卵がある場合は、基礎体温の卵胞期が極端に短い場合と黄体期の極端に短い場合があります。性腺刺激ホルモンの異常や黄体ホルモンの分泌不足などの可能性があり、受診が必要です。
また、注意しなければならないのは、頻発月経だと思っていたら不正出血だったということが少なくないことです。不正出血の原因には子宮内膜症や子宮筋腫、子宮がんなど重大な病気も多いので、早めに婦人科を受診しましょう。

稀発月経は、ストレスや無理なダイエット、激しいスポーツなどが原因で起こることが多く、周期が長くても定期的で排卵もある場合は、あまり問題ないでしょう。いつ来るのかわからないくらい不定期な場合、卵巣や下垂体の機能異常である可能性がありますから、早めに受診しましょう。

無月経は3カ月以内に婦人科を受診して

3カ月以上月経がない場合を無月経といい、早めの治療が必要です。稀発月経同様に、ストレスや無理なダイエットなどでも起こりますが、脳の視床下部や下垂体の機能低下、甲状腺や副腎の病気、また卵巣や子宮の病気などが原因のことも考えられます。

月経不順と甘くみて長期間放っておくと、治療を受けてもなかなか効果が出なかったり、将来不妊症や骨粗しょう症になるリスクを高めることにもなります。ホルモン療法や漢方療法を行って、月経周期が順調になるようしていく必要がありますから、月経が起こらなくなったら、最低でも3カ月以内に受診して治療を受けましょう。

ストレスで月経不順が起こるのはなぜ?

月経周期をコントロールしている脳の視床下部や下垂体は、ストレスにかかわる自律神経の中枢(ちゅうすう)のすぐ近くに位置しているため、ストレスの影響を大きく受けます。そのため、ストレスの多い生活や無理なダイエットなどによってホルモンバランスが乱れ、ホルモン分泌が規則的に行われなくなって、次第に排卵できなくなります。

原因となる病気がなく、ストレスやダイエットからくる月経不順の場合、日ごろからストレスをためないこと、不規則な生活や睡眠不足を改め、禁煙し、食生活のバランスに気をつけることが大切です。

※この記事は2007年3月に配信された記事です

続きを読む




40代からは骨盤底トレーニングを|排尿トラブルを招くトイレ習慣とは?

ノーイメージ

【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

もっとみる

(編集・制作 (株)法研

出産経験のある女性は不具合が出る前から始めたい。骨盤底トレーニングの効果が期待できない人もいることに注意。高齢者は全身の健康管理から。

40歳になったら骨盤底トレーニングを

前回は、骨盤底は妊娠・出産によってダメージを受けやすいため、妊娠中から十分に養生し、分娩時に骨盤底を傷めないようにすることが大切であること、出産後は骨盤底の回復を待ってトレーニングを始めたいことなどを述べました。今回は、加齢によって骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアと、骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせについて説明します。

40~50代は、更年期の訪れとともに心身の衰えを感じる年代です。骨盤底はもともと、子宮や膀胱などの臓器を支えている微妙な部位。この年代には、腟とその周辺の緩みや排尿の勢いの低下、尿意切迫感など骨盤底に関係する問題も増えてきます。妊娠・出産時に被った骨盤底の「古傷」が元になり、尿もれ(尿失禁)や子宮下垂になる人が増えるのもこの年代です。

そこで、とくに出産経験がある女性は、今はこれといった不具合はなくとも、40代を迎えたら1日1回10分間ほど、骨盤底というボディ・パーツを思い出しながら筋力トレーニングをしましょう。別に難しいことではなく、腰かけた姿勢や寝た姿勢で腟や肛門周辺の筋肉をまとめておへその方向へ引き上げる動作を10秒間ほど持続(このとき腹筋は使わない)、ゆっくり休んで筋肉を休ませてからまたくり返す、これを10分間ほど行えばいいのです。

骨盤底の筋肉が健常な人については、40~50代に骨盤底トレーニングを続けることで骨盤底障害を減らせる、発症を遅らせられると考えられています。一方、神経の病気があって骨盤底を正しくすぼめられない、出産のときに骨盤底に大きな傷を負い筋肉の一部が欠損しているなどの場合には、骨盤底トレーニングの効果はあまり期待できないこともあります。

骨盤底に痛みや不快感のある人が受診せずに自己判断で骨盤底トレーニングを続けることは、大いに問題があります。骨盤底トレーニングには痛みや不快感を治める効果がないばかりか、トレーニング中は骨盤底に意識を集中させるため、この部位の痛みや不快感をより強く感じるようになってしまうおそれがあります。

高齢者はトレーニング以前にメタボ対策や足腰の衰えを防ぐことが必要

年をとると尿もれする人が増え、骨盤底の健康は高齢になればなるほど重要です。骨盤底トレーニングは高齢者にも有用ですが、身体機能全般で考えるとき、膀胱・尿道機能だけでなく足腰の力や骨粗しょう症防止を含めて対策を立てないとQOL(生活の質)の向上や日常生活範囲の拡大につながりません。

骨格・筋肉がしっかりしていれば骨盤底障害はおこりにくく、また、まめに体を動かし全身の運動能力を維持している高齢者は、メタボリック症候群にもなりにくい傾向があります。メタボ対策や足腰の衰えを防ぐロハスな(環境や健康に意識の高い)生活などは、骨盤底障害とも密接な関係をもつテーマであるといえます。

この年代では、糖尿病、変形性脊椎症などが増加し、これらよくある疾患から来る骨盤底や排尿のトラブルが増えます。生活習慣病などであれこれと投薬を受けている高齢者には、多重投薬による膀胱障害がみられます。

若いときから骨盤底を意識して健康管理を

最後に、普段のちょっとしたくせや習慣が、骨盤底のゆるみにつながることもあるということを覚えておいてください。

たとえば、排尿するときおなかに力を入れたり、尿が止まった後に尿をしぼり出そうとおなかに力を入れる人がいますが、これは腹圧で膀胱の出口をこじ開けていることになります。排尿の度にこんなことをくり返していると、将来、おなかに力が入ったときに尿がもれる「腹圧性尿失禁」を起こす原因になるので、お腹の力で尿を絞り出すことは絶対にやめましょう。
また、便秘がちの人が毎日のようにトイレで長時間いきむのは、骨盤底が緩んで、年をとったとき肛門が下がってくる原因になります。スムーズに排便できるように、食事と生活を整えましょう。

以上、骨盤底と排尿機能の健康を保つためには、不具合を自覚する以前の長い地道な健康管理が必要、ということがご理解いただけたものと思います。

※この記事は2008年12月に配信された記事です

続きを読む



妊娠・出産後に尿もれをおこす女性が多いのはなぜ?|骨盤底の役割とは

ノーイメージ

【執筆者】中田 真木先生

三井記念病院産婦人科医長 1981年東京大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局。1991年フランス政府給費研究生(研修先はオテル・デュー・ド・パリ産婦人科)。東京警察病院産婦人科医幹を経て、2…

もっとみる

(編集・制作 (株)法研

子宮や膀胱を支える骨盤底を傷めると尿もれや性器脱の原因に。出産時に傷つけないことが何よりも大切。十分な休養をとり骨盤底が回復したら骨盤底トレーニングを!

骨盤底ってなに?

「骨盤」というとき、一般の人は腰の部分の骨を思い浮かべることが多いようですが、医学的には腰の骨に囲まれた体の中の空間ないしは通路を指します。骨盤底とは、この通路を下から塞いでいる底板部分のことなのです。桶にたとえると、水をためる空間が骨盤、側面が骨盤壁、底の部分が骨盤底ということになります。

骨盤底は筋肉や線維組織からできていて、骨盤内に収まっている子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えています。そして、日頃はしっかり閉じているのに、排尿・排便時や出産時など必要なときには緩んで通路を開放するという優れものです。

力学的にいうと、骨盤底は骨盤の最も低い位置にかかった「橋」のようなもので、この橋は子宮周辺の線維組織や骨盤底筋群などの支持構造と、強い力が加わったときに子宮や膀胱などが互いに押し合う力のバランスなどによって安定を保っています。
しかし、こういった支持のメカニズムが失われると、骨盤底はあたかも橋が落ちたごとくにたれ下がり変形します。こうなると、骨盤底弛緩、骨盤臓器脱(性器脱)などと呼ばれる状態がおこります。骨盤底に緩みや断裂がおこり、尿道や膀胱をしっかり支えられなくなって尿もれをおこしたり、子宮、膀胱、直腸などが下がってきて、外に飛び出したりするのです。

このような状態は命にかかわるものではないものの、仕事や日常生活に支障をきたし、外出をためらって家にこもりがちになる人もいるなど、QOL(生活の質)を大きく低下させることが問題です。そして、こうしたトラブルで悩む女性は非常に多いのです。

妊娠・出産で骨盤底はダメージを受けやすい

妊娠中、子宮はだんだん大きく重くなりますから、当然、骨盤底への負荷は妊娠週数が進むと増大していきます。分娩時には、骨盤底はいっぱいに開いて胎児の通り道を提供しなければなりません。そのため、経腟分娩で出産した女性は、骨盤底の「疲労」や「傷み」を抱えた状態で育児や家事をすることになるのです。

出産後の骨盤底の疲労や傷みの程度は人によってさまざまです。その度合いが大きいと、尿のたまった感じがしない、尿やガス・便などがもれやすい、腟の周りに緩んだ感じやしびれ感がある、などの不具合が出てきます。
若い女性の骨盤底には十分な回復力があり、ふつうの疲労や傷みならば出産後に十分体を休めることで速やかに回復します。出産後約1カ月までは十分に休養し、育児の合間をみて横になるようにしましょう。出産から2~3カ月で骨盤底の緩んだ感触がだいたいとれ、尿のもれやすさも収まるのが正常な回復の目安です。

トレーニングは骨盤底の回復を待ってから

昨今は高齢出産や核家族化など骨盤底がダメージを受けやすい条件が重なります。そこで、不具合の残りそうな人や難産だった人などには、積極的な療養計画や骨盤底トレーニングが欠かせません。出産から6~8週間までは、腹部のたるみや胴回りのぜい肉が気になっても、胴回りをきつく締めつける下着や衣服を身につけることは避けましょう。この時期は骨盤底が回復していませんので、おなかを締めつけて咳やくしゃみ、いきみなどの力が100パーセント骨盤底へ向かうと、その分骨盤底に負担がかかるからです。
出産後の骨盤底トレーニングは、外陰部の痛みが引いてから行いましょう。また、腹筋トレーニングは、骨盤底が回復してから始めるようにしましょう。

以上、出産後の骨盤底ケアについて説明しましたが、本来は、分娩で骨盤底を損なわないことが何にも増して大切です。そのためには、妊娠中から十分に養生して血圧上昇や体重増加を避け、出産予定日前後の生活は余裕をもって計画しましょう。高齢初産では、出産に伴うリスクが高くなるので、30代後半で初めて出産する人はとくに、いつでも帝王切開に切り替えられる環境で出産するのがよいでしょう。

最近は、妊娠して尿がもれやすくなったなどで骨盤底を鍛練しようとする人がありますが、妊娠中の尿もれは骨盤底トレーニングではなかなか治まりません。腟周辺をすぼめるつもりでいきんでしまったりすることもあるので、妊娠中は力いっぱい骨盤底トレーニングをすることは控え、まずは母親学級などの機会に骨盤底というボディ・パーツのイメージをしっかりと固めておくようにしましょう。

骨盤底のイメージをしっかり持っていれば、胎児が骨盤底を通過するとき、ごく自然に骨盤底の力を抜くことができます。出産後は、骨盤底の筋肉はとくに努力しなくても自然に引き締まっていきます。

引き続き、次回は骨盤底の緩みにつながりやすい習慣やくせ、加齢により骨盤底の緩みが出てくる40代以降のケアなどについて説明します。

※この記事は2008年11月に配信された記事です

続きを読む



女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

男性がなるイメージの痔ですが、実は女性にも多いと知っていますか? 女性がなりやすい痔の特徴と生活習慣についてまとめました。

女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣

ダイエット、冷えや便秘が痔の原因に

排便時に血が出たり、肛門に痛みを感じたことはありませんか? お尻まわりの悩みは、恥ずかしくてなかなか病院にも行けないもの。痔というと、男性がなる病気のイメージですが、実は女性の3人に1人が痔になった経験があるといったデータもあるほど、身近な病気です。

痔には3種類あります。「いぼ痔」は、静脈がうっ血していぼ状になったもの。できる位置によって、内痔核、外痔核と名前が変わります。痔の患者の半数がこの「いぼ痔」です。
「きれ痔」は20~40代の女性に多いタイプ。便秘や下痢で肛門の皮膚が切れ、排便時に痛みを感じます。
そして「あな痔(痔ろう)」は男性に多く、疲れて抵抗力が弱った時に、肛門のくぼみから大腸菌が入り込み、感染するもの。お尻の内部に穴のような腫瘍ができます。鈍い痛みと熱をともなう場合も。

そして女性の場合、妊娠すると肛門に圧がかかるため、もともと痔だった人は悪化する可能性もあります。軽度のものなら、肛門科を受診すれば、薬物治療と生活習慣の見直しで、改善ができます。「痔かな?」と感じたら早めに病院を受診することで悪化を防げます。

<痔になりやすい7つの習慣>

1)体を冷やす

体が冷えると、肛門まわりが緊張して血流が悪くなり、痔になりやすくなります。また、冷えは腸の動きを鈍らせ便秘にも。お腹や腰は冷やさないよう、腹巻きをしたり、ふだんから冷たい飲み物は控えて、常温や温かいものを飲むなど、体を冷やさないよう注意を。体が冷えたと感じた日は、湯船に浸かり体を温めましょう。

2)便秘がち

女性に多い便秘。便が腸の中で停滞しているうち、硬くなって、排便時に肛門に負担がかかります。硬い便は、出る時に肛門を傷つけ、切れ痔の原因に。便秘解消のために、海藻などに多い水溶性食物繊維と、野菜に多い不溶性食物繊維をバランスよく取り、毎日快便を目指しましょう。また月経前は、ホルモンの働きにより腸の運動が鈍くなるので便秘になりがち。特に注意が必要です。

3)トイレでいきむ

腹筋が弱い女性は、排便痔にいきむ傾向があります。肛門に圧をかけて排便するクセがつくと、肛門に毎回負担がかかり痔になりやすく。いきむのではなく、自然につるっとでるように、腸のマッサージをしたりするなどの工夫を。

4)運動不足

運動不足は、体の冷えを招き、痔につながります。また、腹筋が弱いと排便時にいきんで排出するので、肛門に負担が。適度な運動で腹筋を鍛えましょう。

5)朝食を抜く

朝、食事を取らないと、腸のぜんどう運動のスイッチが入らず、便秘になりやすい傾向が。便秘は痔になりやすい原因のひとつ。食欲がない場合でも、果物やヨーグルトを少量とるなどして、消化器官のスイッチをオンに。毎日の習慣にすることで、朝スッキリ排出できる体質に近づきます。

6)ダイエットしている

食事制限をするダイエットをしていると、便のかさが減り便秘に。また、食事で栄養が取れていないと、体の熱を作るエネルギーも減り、冷えに。無理なダイエットは、痔をまねく元凶です。

7)辛いもの、アルコールが好き

辛い料理や飲みすぎた次の日に、下痢になった経験はありませんか? 下痢になると、肛門付近の皮膚がふやけて切れやすくなります。辛いもの、アルコールはほどほどに。

続きを読む



  1. 1
    女性に多い『痔』原因と症状|こんな人は要注意!痔になりやすい7つの習慣
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 男性…
  2. 2
    野菜ジュースは飲んでも意味がない? 野菜ジュースでとれる栄養とは
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  3. 3
    批判されても挫けない!『心が折れない』強いメンタルの作り方
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  4. 4
    足がむくむ、足がダルい…女性に多い『下肢静脈瘤』かも? 原因と症状
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  5. 5 みぞおちの辺りが痛い 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    みぞおちの辺りの腹痛 激しい痛みor鈍痛? 痛むのは真ん中・右・左?
    お腹の上の部分、みぞおちあたりの痛み。胃痛? それとも、ほかの病気? …
  6. 6
    ヘルプマーク、ハートプラスマークなど、見えない障害を持つ人のためのマーク
    (編集・制作 gooヘルスケア) 外見からはわからない障害を抱え…
  7. 7
    体はストレスや疲労のサインを出している―年度替わりのストレス対策
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 3~…
  8. 8 ストレスに強い人と弱い人の違い|ストレス耐性を高める6つの要素
    ストレスに強い人と弱い人の違い|ストレス耐性を高める6つの要素
    環境の変化にストレスを感じる人と感じない人がいる 日々、暖かくなって…
  9. 9
    【医師が教える】夏まで90日!リバウンドなしダイエットのやり方
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  10. 10
    あの人うつ病かも? うつを見分ける症状のポイント|接し方のヒント
    【執筆】住本吉章カウンセラー 誰でもが陥りやすいうつ状態 …
  11. 11
    寝起きスッキリ! 朝すぐに起きられる人になる11個の方法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 早朝…
  12. 12 ポッコリお腹がへこむ!道具いらずのお腹ヤセ体操
    ポッコリお腹がへこむ!道具いらずのお腹ヤセ体操
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 北海…
  13. 13
    怒りの対処法「アンガーマネジメント」で人間関係を円滑に
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  14. 14 仕事や家事がしんどい、やる気がわかない…心が疲れたときの対処法
    仕事や家事がしんどい、やる気がわかない…心が疲れたときの対処法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと …
  15. 15
    腸内環境の改善で”性格”まで変わる?!心の安定を得るための方法5つ
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 腸内…
  16. 16
    大人の女性の悩み“尿モレ”はお尻を鍛えて解消!|ウエストも細っそり
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと 出産…
  17. 17
    春の眠気を吹き飛ばす!眠くなった時に集中力を取り戻す5つの方法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと ぽか…
  18. 18
    ネガティブな考えにオサラバ、考え方のクセをつかみ改善する7つの方法
    執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと ネガ…
  19. 19 痩せたい人が食べるべき食材|“脂肪を燃やす栄養素”の最新情報
    痩せたい人が食べるべき食材|“脂肪を燃やす栄養素”の最新情報
    知らなきゃ損! 微量でも体内で大きな力を発揮する。 微量栄養素が欠乏…
  20. 20 うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?
    うまくいかない人間関係の原因は親への葛藤や感情にあるかも?
    心理学用語―転移とは? 臨床心理学の用語に、『転移』という用…

一覧