生理前の胸の張りや痛みは軽減できる? PMSを改善する5つの食材

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 –株式会社からだにいいこと

生理前になると憂鬱になったり、胸の張りや痛みなどが出るのがPMS(月経前症候群)。PMSの症状を軽減できる食材をご紹介します。

生理前の胸の張りや痛みは軽減できる? PMSを改善する5つの食材

毎月の悩みにさよなら! 食べ物で「PMS(月経前症候群)」を緩和

「PMS(月経前症候群)」とは、生理の3~10日前からおこる症状で、生理がくると悩まされていた症状も消えるのが特徴です。原因は、女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の過剰分泌とされています。胸が大きくなって張り、痛みを感じる場合もあります。この時期は、子供を作るために準備をする期間のため、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が乳腺を発達させようとするからです。

ほかにも、「PMS(月経前症候群)」には、憂鬱、イライラしやすい、胃痛、食欲増進または減退、貧血、便秘、むくみ、頭痛、腹痛など、さまざま症状があります。症状には個人差がある上に、月ごとに症状が異なる場合もあります。

また、生理前は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが低下し、血糖値が上がります。この上がった血糖値を下げるために通常よりも大量のインスリンが必要になりますが、逆に食後2~3時間になると、低血糖になりやすく。血糖値が下がると、また異常な食欲が出たり、イライラしたりといった症状が出ます。血糖値を安定させることが、PMSの緩和につながります。

「PMS(月経前症候群)」の時に、積極的にとりたい5つの食材がこちら。普段からも取り入れることで、症状の緩和に効果があるとされています。

<PMSを改善する5つの食材>

1、大豆製品

大豆製品にはイソフラボンが含まれています。イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きが。1日200mlを目安に摂ると女性ホルモンのバランスが整うと言われています。

2、ごま、アーモンドなどのナッツ類

ホルモンバランスを整えるビタミンEが豊富。

3、カツオ、サケなど魚類

魚類にはビタミンB6がたっぷり。ビタミンB6は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の合成につながり、心を安定させます。

4、ひじき、わかめなど海藻類

マグネシウムを多く含む海藻類はPMS(月経前症候群)の緩和に。

5、バナナ

バナナにはカリウムが含まれており、生理前の体のむくみを解消してくれます。生理前の便秘解消にも効果が。

6、玄米

マグネシウムと食物繊維が豊富。血糖値が上がりにくいので、生理前の食欲を抑えることができます。

「PMS(月経前症候群)」の症状には個人差があり、人との比較もしにくいもの。食事の改善のみで緩和できない場合もあります。毎月、生理前になると普段の生活に支障が出るほど悩まされる人は、一度婦人科を受診しましょう。




結婚が決まったらブライダルチェックを!検査でわかるからだの異常とは?

【お話を伺った人】天野 恵子先生

千葉県衛生研究所所長 千葉県立東金病院副院長  1942年生まれ。東京大学医学部卒業(医学博士・循環器内科専攻)。東京大学講師、 東京水産大学教授を経て、現在千葉県衛生研究所所長 兼 千葉県立東金…

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(編集・制作 (株)法研

新生活をイキイキとスタートするためにも予防健診を。結婚、妊娠を考えているあなたは、あらかじめ、婦人科検診などを含めた健康診断を受けておきましょう。

ふたりの新生活、順調にスタートさせるには……!?

これから結婚をひかえているあなたは、新しい生活に期待を感じつつ、さまざまな準備をすすめているのではないかと思います。

そのなかにぜひ加えてほしいのが、結婚前の健康診断である「ブライダルチェック」。

幸せな新生活の基礎となるのは、ふたりの健康。なにかと緊張しがちな結婚式前後や、それにともなう引越し、そしてふたりの暮らしがスタートしたとたん、病気で寝込んでしまうようなことがあると、喜びも半減してしまいます。とくに妊娠、出産を考えている女性にとって、婦人科系の疾患がないかどうかは気になるところ。早く子供を、と望んでいたのに、結婚後、子宮筋腫や卵巣の病気が見つかり、その治療に時間がかかる、というケースもみられます。

病院の婦人科などでは、血液検査や子宮がん、乳がん、性感染症など数種類の検査を行う「ブライダルチェック」のメニューを準備しています。気軽な気持ちで、受診してみたいものですね。

ブライダルチェックで行われる検査

「ブライダルチェック」で行われる代表的な検査を見てみましょう。

○血液検査、尿検査、レントゲン、血圧測定など。
通常の健康状態を調べます。貧血があると流産をおこしやすくなります。忘れずにチェックしておきましょう。また糖尿病があると胎児に異常が出ることも。尿検査も同時に行っておきましょう。
○子宮・卵巣などの検査……子宮筋腫や卵巣腫瘍など、婦人科系の疾患の有無や機能を検査。
月経不順、月経痛なども妊娠前に治療しておきましょう。
○超音波検査……内臓疾患を調べる。
○性感染症……梅毒、クラミジア、エイズなど。
梅毒やクラミジアなどの性感染症は妊娠による母子感染を防ぐため、完治させておきたいものです。
○風疹抗体値検査……風疹に妊娠中感染すると、流産や胎児異常の原因になります。
○B型肝炎検査……自分がウイルス保有者でないかどうか調べておきましょう。

これら検査の内容や費用は、病院によって異なります。受けたい検査だけ選んで受診することもできますし、婦人科系の内診を受けたくない場合は、申し出れば希望通りになることも。

検査結果が出るのは約2週間ていど。異常が見つかればそこから治療がスタートしますが、疾患によっては長くかかることもあるので、挙式の半年前くらいまでにはなるべく済ませておきたいものです。

「ブライダルチェック」は、これを機会にかかりつけの婦人科医を見つけるチャンスでもあります。妊娠、出産、さらに更年期と、長いおつき合いをできるところを選ぶといいでしょう。

(「よくわかる女性のからだ事典」、2006年2月刊、天野恵子監修、法研より)

※この記事は2006年2月に配信された記事です

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ピルの入手方法や飲み方・ピルの基礎知識|ピルを使用できない人とは?

【お話を伺った人】松峯 寿美先生

東峯婦人クリニック院長・医学博士 東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』…

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(編集・制作 (株)法研

正しく使って自分の健康は自分で守る!確実な避妊にはピル、性感染症の予防にはコンドーム!ダブルブロックで自分を守りましょう。

ピルはどこで手に入るの?

低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)は、日本ではかぜ薬などのように薬局などで買うことができません。使用には医師の処方が必要です。一般的には婦人科や産婦人科を受診して医師による問診や血圧測定を受け、問題がなければ処方してもらいます。以前は多くの検査が必要でしたが、2005年12月の「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」の改訂により、基本的には問診と血圧測定だけで入手できるようになりました。

まず問診でリスク因子がないかを確認し、リスク因子があれば必要な検査を行います。子宮がんや性感染症の検査などは健康管理のために重要ですが、ピルの処方に必要というわけではありません。ただ、せっかく産婦人科を受診するのですから、検査を受けていない人はこの機会に検査しておくのもよいことです。
ピルについてわからないことがあればささいなことでも質問し、きちんと説明してくれる医師を選びましょう。これをきっかけに、体のことを何でも相談できる「かかりつけ医」ができるとよいですね。

ヘビースモーカーはピルを使えない!

ピルは月経が始まる10代から50代で閉経するまで、ほとんどの女性が使うことができますが、なかには飲むと危険な人もいます。次のような人はピルの使用を避けるか、注意して使う必要があります。

●血栓症の人、あるいは血栓症にかかったことのある人
●脳・心血管系の病気にかかっているか、かかったことのある人
●乳がん、子宮体がん、子宮頸がんにかかっている人
●肝機能障害、高血圧、糖尿病、高脂血症にかかっている人
●妊娠、授乳中の人
●35歳以上で1日15本以上喫煙する人

血栓症のリスクの高い人はピルを使用できません。また、タバコを吸う人がピルを服用すると、血栓症や乳がんなどのリスクが高くなるといわれています。健康のためにもぜひ禁煙を! また、結核やてんかんの薬、ある種のサプリメントには、ピルの避妊効果を低下させるものがありますから、何か薬を服用している人は医師に相談しましょう。

二つのタイプと服用開始日が選べる

ピルは1カ月分(1周期分)が1シートに入っていて、シートに指示された順番どおりに飲んでいきます。「21錠タイプ」と「28錠タイプ」があり、服用開始日も自分で決めることができます。

服用期間はそれぞれ21日間と28日間で1周期です。「21錠タイプ」の服用方法は、1日1錠を21日間連続して飲み、22日目から7日間休薬し、8日目から新しいシートのピルを飲みます。「28錠タイプ」は、飲み忘れを防ぐため7日間は偽薬(ホルモンの含まれないプラセボ錠)を飲み続けます。飲み終ったら、翌日から新しいシートのピルを飲みます。

服用開始日は通常、月経の第1~2日目ですが、サンデースタートピルといって、月経が始まって最初の日曜日(月経が日曜日に始まった場合はその日)から服用を始めることもできます。サンデースタートピルのメリットは、月経が週の半ばに来るため、週末に用事がある人には便利なことです。しかし、服用を開始して最初の1週間は避妊効果がなかったり、少量の出血が続くことがあるので注意しましょう。

大切なのは飲み忘れしないこと。毎日同じ時間帯に飲むのが望ましいので、例えば朝食時や歯みがきのときなど、毎日の習慣と結びつけると忘れにくいでしょう。携帯電話にアラームをセットするのも一法です。飲み忘れは妊娠と不正性器出血(月経以外の出血)の可能性を高めますから注意しましょう。
それでも飲み忘れた場合は、24時間以内なら気づいたときただちに1錠飲み、その日の分も通常通りに飲みます(計2錠服用することになる)。24時間以上たってしまったら、次の月経開始日から新しいシートの錠剤を飲みます。月経周期を崩したくなければピルを続けて飲みますが、飲み忘れた日から新しいシートを飲み始めるまでは避妊効果がありませんから、別の避妊法との併用が必要です。プラセボ錠の飲み忘れは問題ありません。

性感染症予防にはコンドームを忘れずに!

ピルを飲んでいれば性感染症にもかからないと思っていたら大変! クラミジアやエイズなど、性行為でうつる性感染症はピルで予防することはできません。性感染症を予防するのはコンドームだけです。
性感染症は感染初期には症状のないものが多く、気がつかないうちにうつしたり、うつされたりすることがあります。しかも多くは女性のほうが感染しやすく、腹膜炎や不妊の原因になるなど被害も大きくなってしまいます。ピルはあくまで避妊用のため。性感染症予防にはコンドームを正しく使用して、自分の健康は自分で守りましょう。

※この記事は2007年2月に配信された記事です

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望まない・意図しない妊娠は約4割|低用量ピルの避妊効果とは?

【お話を伺った人】松峯 寿美先生

東峯婦人クリニック院長・医学博士 東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』…

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(編集・制作 (株)法研

ホルモンが作る女性のリズム。決めるのはあなた!避妊効果が高く副作用も少ないといわれるピル。あなたはどれくらい知っていますか?

自分のことは自分で決めたい

週刊誌やテレビで、芸能人の「できちゃった婚」のニュースをよく目にしますが、日本では避妊の失敗などによる「意図しない出産」や「望まない出産」が約40%弱もあるといわれています。問題なのは、望まない妊娠で仕事や学校を辞めざるを得なかったり、中絶したりする人が多いということです。

そういったことを避けるためにも、日ごろから避妊について考えておきたいものです。さまざまな避妊方法の中で何を選ぶのか、人任せにせず自分で決めるのが自立した女性!そのためには、十分な情報と正しい知識が必要です。

避妊効果が高く安全といわれるピルが広がらないのはなぜ?

1999年、アメリカから約40年遅れて低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)が解禁され、避妊方法の幅が広がりました。でもピルについて、あなたはどれくらい知っていますか?

ヨーロッパを中心に、ピルは一般的に使われている避妊薬ですが、日本ではコンドームの利用が約8割と圧倒的に多く、ピルを利用している人はわずかです。ピルは避妊効果が高く、副作用も少ないといわれていますが、情報の少なさからか、なんとなく不安、ホルモンを飲むことに抵抗がある、などの理由で服用をためらう人が多いようです。

さらに、ピルの導入にあたってつくられた「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によって、処方前にさまざまな検査が義務づけられたことも、ピルの利用が進まない原因の一つと考えられています。しかし2005年12月、日本産科婦人科学会などが同ガイドラインを改訂し、検査が大幅に簡素化されただけでなく、製薬会社などがピルの避妊以外の効用をうたってもよいことになりました。

妊娠を防ぐ3つの主な働き

女性には約4週間で1サイクルの月経周期があり、その間に月経と排卵が1回ずつ起こります。そして、排卵のときに出てきた卵子が子宮のほうへ運ばれる途中で精子と出会えば受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ピルは、排卵を抑える、受精卵を子宮に着床しにくくする、精子を子宮に入りにくくするという、主に3つの働きで妊娠を防ぎます。

ピルは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ成分を含む飲み薬で、これを飲むことで体が妊娠中に近い状態になり、排卵がストップします。また、ホルモンの働きで、精子が子宮に入りにくくなったり、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態になります。このように、何重にも避妊効果を高めているのです。

意外と知られていない、避妊以外のメリット

ピルを使ってみようと思ったら、また、ほかの避妊方法と比較するためにも、ピルのメリットとデメリットをしっかり押さえておきましょう。

メリット

●正しく使用すればほぼ100%の避妊効果があり、妊娠を希望するときは飲むのをやめればよい。
●月経周期をコントロールできる。ピルを飲むと月経周期がきちんと28日周期になり、いつ月経が来るかわかるため、スケジュールが立てやすい。ピルで月経をずらすこともできるため、たとえば、月経が旅行に重ならないようすることができる。
●女性の意思で避妊ができ、自分の体は自分で守る意識が生まれる。
●その他、月経痛が軽くなる、貧血が改善される、にきびがよくなる、子宮内膜症になりにくく悪化を防ぐ、長く飲み続けると子宮体がん・卵巣がんのリスクが減る、骨粗しょう症になりにくくなる、など。

デメリット

●毎日飲まなければならず、飲み忘れると避妊効果がなくなる。
●医師の処方が必要で、保険適用にならないため費用がかかる(月に約3000円~4000円程度)。
●飲み始めの2~3カ月は吐き気や頭痛、乳房の張りなどが起こることがある。
●血栓症のリスクの高い人は飲めない。
●性感染症は防げない(コンドームとの併用が必要)。

避妊だけでなく、健康面や月経周期の調整など女性のQOL(生活の質)をアップさせる効果が期待できるピルですが、上手に使いこなすためには正しい知識が必要です。
次回はピルの使い方についてご紹介しましょう。

※この記事は2007年1月に配信された記事です

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お腹がポッコリしてきた…それは太ったのではなく卵巣の病気かも?

【お話を伺った人】丸本 百合子先生

百合レディスクリニック院長 産婦人科医師。医学博士。1949年生まれ。東京大学医学部附属病院分院、同愛記念病院勤務を経て、百合レディスクリニック院長。女性が自分の性とからだのことを自分自身で選択す…

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(編集・制作 (株)法研

卵巣は腫瘍ができやすい臓器。しこりや張りを感じたら要注意。「沈黙の臓器」といわれ、病気が進行しないと症状が現れないため見逃しやすい。

卵巣腫瘍のほとんどが良性の卵巣のう腫

卵巣は乳房や子宮と同様に、女性にとって大切な働きをもつ臓器ですが、卵巣が体のどこにあってどんな形で、どんな働きをしているのか、よく知っているという人は少ないのではないでしょうか?

卵巣は骨盤の中にあって、子宮の両側に一つずつ靭帯(じんたい)でぶら下がっています。健康な状態では親指の先ほどの小さな器官で、子宮から左右に延びた卵管のちょうど下に位置しています。思春期になると卵巣は女性ホルモンを分泌し、毎月排卵をくり返します。言いかえると、毎月細胞分裂をくり返すことになるため、卵巣は体の中で最も腫瘍(しゅよう)ができやすい臓器なのです。

卵巣にできる腫瘍はさまざまですが、大きく分けて、触ると軟らかい「のう胞性腫瘍(卵巣のう腫)」と硬いこぶのような「充実性腫瘍」とがあり、前者がおよそ9割を占めています。卵巣のう腫のほとんどは良性で、充実性腫瘍には悪性のものが多くみられます。卵巣腫瘍は10代から70代まで幅広い年代の女性がかかるのが特徴で、近年患者数は急激に増加しています。

ここでは、子宮筋腫(きんしゅ)とならび婦人科領域で最も発生頻度の高い腫瘍である卵巣のう腫を中心に解説します。卵巣のう腫のほとんどが良性といっても、大きくなると内臓を圧迫してさまざまな症状を起こしたり、悪性に変化する場合もあるため、早期発見、早期治療と経過観察が大切です。

症状はおなかのふくらみと膨満(ぼうまん)感

卵巣のう腫の「のう」とは袋のこと。袋の中に水や粘液、脂などがたまってはれ、どんどん大きくなることがあります。卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれ、腫瘍が小さいうちはほとんど自覚症状がありません。症状が現れたときには、こぶし大(6~7cm)以上に成長していることが多いようです。

腫瘍が大きくなると下腹部がふくらんでスカートのウエストがきつくなったり、おなかが張ったような感じがしたり、しこりを触れるようになります。また大きくなった卵巣が周囲の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、月経痛、頻尿(ひんにょう)、便秘などさまざまな症状を起こします。
また、腫瘍がある程度の大きさになると、腫瘍の根元がねじれる茎捻転(けいねんてん)を起こし、強い痛みと吐き気などを生じて、緊急手術が必要となることもあります。

ちょっと太っただけ、便秘のせい、などと見逃されることも多いため、上記のような症状に気づいたら、卵巣腫瘍を念頭に、早めに婦人科を受診しましょう。

卵巣腫瘍の早期診断には経膣(けいちつ)超音波検査が有効ですが、大きくなったものでは経腹超音波検査のほうが有効な場合もあります。また、腫瘍の種類や周囲の臓器との位置関係などを確認するのにCTやMRI 検査が、腫瘍が良性か悪性かの判断の目安には腫瘍マーカーが用いられますが、最終的な判断は、手術で摘出した腫瘍を顕微鏡で調べる病理検査によって行われます。

良性でも定期的な検査は欠かさずに

小さなものの場合は、のう腫ではなくて、一時的に生じて自然に消えてしまうのう胞もありますから、良性で自覚症状もない場合は経過観察のみ行いますが、大きくなる場合は、悪性に変化したり、捻転を起こす危険が高まるため手術が必要になります。

良性で腫瘍の大きさが直径10cm以内なら、腹腔鏡(内視鏡の一種)による手術が可能なことが多く、手術の傷も小さく2日~数日の入院ですみます。しかし、それ以上大きい腫瘍や、癒着があったり悪性が疑われるときには開腹手術が必要になります。

手術は、腫瘍部分だけを摘出する場合と、卵巣全体を摘出する場合とがあり、腫瘍の大きさや性質、患者さんの年齢や妊娠の希望などを考慮して選択されます。
たとえば若い人で、これから妊娠したい希望がある場合には腫瘍部分だけを摘出します。閉経後の女性では卵巣全体、または反対側の卵巣もとるなど、患者さんの状況によって異なる手術法を選択できる場合もあるため、自分の希望をはっきり伝えることが大切です。

しかし、腫瘍が大きく癒着がある場合などでは、卵巣ごと摘出しなければならないこともあります。その場合も、卵巣は1つ摘出しても残った1つが正常に働けば、妊娠は可能です。やむを得ず両側の卵巣を摘出した場合、更年期障害に似た症状が出やすいため、卵巣ホルモン補充療法などを行うこともあります。

卵巣腫瘍は発見が遅れがちな病気。もう少し早く発見していれば出産も可能だったのに…、卵巣を切除しなくてもすんだのに…、ということにならないために、異常を感じたら婦人科を受診し、腫瘍の有無を確認しておくことが望まれます。

※この記事は2007年10月に配信された記事です

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20代・30代女性に増える子宮がん|早期発見の手がかりになる症状は?

ノーイメージ

【お話を伺った人】種部 恭子先生

女性クリニックWe!TOYAMA院長 富山医科薬科大学卒業後、同大学産科婦人科学教室入局。婦人科医。愛育病院、黒部市民病院を経て、2001年富山医科薬科大学付属病院産科婦人科外来医長、2003年済…

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(編集・制作 (株)法研

年に一度は婦人科で検診を受けよう!子宮がんは早期発見・早期治療でほぼ完全に治るがん。後悔しないためにも定期検診と早めの受診を。

子宮頸がんは低年齢化、子宮体がんは増加

一般にがんになりやすい年齢は40歳以降といわれますが、子宮がんはむしろ若い世代に多いがんであるため、若い人も油断はできません。子宮がんには、子宮の入り口(頸部)にできる「子宮頸(けい)がん」と、子宮の奥(体部)にできる「子宮体がん」があります。どちらも、最近は発症年齢の低年齢化が問題になっています。

とくに子宮頸がんは20~30歳代に急増。これから子どもを産もうという人の多い年代であり、命は助かっても子宮を失うようなことになったのでは深刻な問題です。
子宮頸がんは、性交で感染するヒトパピローマウイルスとの関係がかなり明確になっており、性交経験のあるすべての女性がこの病気のリスクをもちます。また、性交を経験する年齢が低くなったことが、このがんの低年齢化に結びついていると考えられています。子宮頸がんになるリスクが高いのは、性交を経験した年齢が低い人や喫煙者、妊娠・出産回数が多い人などです。

一方、以前は子宮がんといえばほとんどが子宮頸がんだったのが、この40年ほどで子宮体がんが約4倍にも急増、最近では子宮がん全体の30%前後を占めるまでに増えています。40代から60代に最も多くみられますが、30代で発症する人も増えています。妊娠・出産経験のない人、若い人では月経不順やホルモンの乱れがある人に多くみられます。肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症の人は、さらにリスクが高くなります。

子宮がんは早期に見つけて治療すればほぼ完全に治すことができます。それには定期的に検査を受けることが大切です。

子宮頸がんは自覚症状が現われてからでは遅いことも

子宮頸がんは早期にはほとんど自覚症状がなく、自覚症状が現われるのはがんが進行してから。月経以外の出血(不正出血)、性交時の出血、おりものの増加などが主な症状ですが、がんが進行してからでは、子宮の温存が不可能になります。早期なら子宮を残す治療法を選択することができるため、妊娠することが可能です。だから自覚症状がないうちに発見することが何よりも大切なのです。

子宮頸がんの検診は多くの自治体で実施しており、多くの場合20歳から、無料または安価な料金で受けることができます。2年に1回の検診としているところが多いようですが、できれば最低でも年に1回、婦人科や検査機関で自主的に検診を受けることをおすすめします。(自治体によって費用や受診できる年齢などの条件は異なるため、個々に問い合わせが必要)

検診では子宮の出口を綿棒でそっとこする検査(細胞診)を行います。痛みもなく短時間ですみます。はずかしい、忙しいといった理由で婦人科の検診を受けることをためらう人は多いかもしれませんが、後悔しないためにも、年に1回のがん検診を受けましょう。

子宮体がんの自覚症状は月経不順と間違えやすい

子宮体がんも初めは無症状ですが、比較的早期に不正出血や月経異常で自覚されることも多いようです。最初は月経量が増える、長引くといった月経の異常として現われるため、もともと月経不順のある人や閉経前後の人では、いつもの月経異常として見逃してしまうことも多いのです。

現代女性は、初経年齢が早まり閉経年齢は遅くなっていることに加え、子どもを産む数が減っていることから、昔の人よりも約10倍、生涯で経験する月経が多くなりました。この月経回数の増加が、子宮体がん増加の原因になっていると考えられています。ほかに、食生活の欧米化や、ストレス社会でホルモンのバランスをくずす人が多いことなどの影響も指摘されています。

つまり、子どもを産む産まないにかかわらず、現代女性の誰もが子宮体がんのリスクがあるということ。40歳になったらすべての人が検診を受け、月経不順があるなどのリスクが高いと思われる人はもっと早く、30代から検診を受けることが望まれます。

自治体の検診はおもに頸がんについて行う場合が多いので、子宮体がんは婦人科を受診して調べてもらうことをおすすめします。体がんの検診は子宮内膜の細胞を調べる細胞診で、子宮内に細い棒状の器具を入れて細胞をこすりとるなどの方法で、少し痛みを感じることもあります。子宮内膜の厚さを測定する経膣(けいちつ)超音波検査も有効で、こちらは痛みもほとんどありません。子宮頸がんとともに年に1回は検診を受け、月経とは違う出血や、いつもより月経量が多い、長いなどの変化があったら、自己判断せず、婦人科を受診しましょう。

不正出血やおりものの変化などは、がんではなくても子宮や卵巣など婦人科の病気のサインである可能性もあります。20歳をすぎたら年に一度の検診で子宮や卵巣の状態をチェックすることが、女性のライフプランの実現に不可欠であるということを心にとめておいてください。

※この記事は2007年9月に配信された記事です

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