色やにおい、形の変化は体調の良し悪しを反映

毎日簡単にできる健康管理! 知ってほしい、意外と大事な便の色

水洗トイレで観察を。健康なら黄褐色・茶褐色で軟らかくバナナのような形。色が変、においが強いのは心配

24時間かけ長い消化管を通過して排泄される

水洗トイレの普及で、私たちは排泄したうんちの様子を見ることができます。じっくり観察する勇気さえあれば、その状態から今の自分の体調をある程度推測できるのです。

私たちが摂取した食べ物は、口から肛門(こうもん)まで、成人だと10m近くにもなる消化管を、24時間以上かけて通過し排泄されます。この間、栄養や水分が吸収されるので、うんちとして出るのは消化・吸収された食べ物の残りかすのようなイメージがあるかもしれません。しかし実はうんちのおよそ80%は水分で、残りが消化管の細胞や腸内細菌、食物繊維、食べ物のかすなどです。

健康なときのうんちは、色は黄褐色か茶褐色で軟らかく粘土かバナナのような形をしています。毎日このようなうんちが出ていれば、健康上の問題はありません。また、2~3日に1回であっても、それが習慣になっていて体の不調を感じなければ心配はないでしょう。

便秘すると水分が少なくなり、下痢では90%以上が水分

うんちの色や形からわかる健康状態-赤い便や黒い便は要注意!
便秘をすると、うんちが大腸内にとどまる間に水分が吸収され、コロコロと硬くなります。このときのうんちの水分は60%くらい。トイレでいきんだとき肛門を傷つけることもあるので注意してください。また、うんちが硬くなると腸内で動きにくくなり、さらに水分が吸収されて……と、悪循環に陥りやすいので早めに対策を。
便秘の予防・解消には、決まった時間にトイレに行くことや、水分を十分とること、食物繊維の多い野菜や海藻類を積極的に摂取することが大切。また、原因として消化管の病気や精神的ストレスが疑われるときは逆に、食物繊維が少なくて消化のよい温かい食べ物のほうがよいでしょう。

一方、下痢のときのうんちの水分は90%以上にもなります。急に起こる下痢の原因には単なる食べすぎ飲みすぎから、食中毒やウイルス感染、アレルギーなどがあります。これらは、体が受け付けないもの、体にとって毒になるものを早く排出しようと消化管が激しく収縮するために起こっています。慢性的に下痢をくり返し、ストレスで症状が悪化する場合は過敏性腸症候群などが疑われます。

ドロッとして黒い色、赤い色だと潰瘍やがんの心配が

健康なときのうんちが黄褐色や茶褐色なのは、胆汁の黄色い色素が混ざっているため。また、血液の中の赤血球の寿命が尽きるとウロビリンという茶色い物質になり、うんちとともに捨てられるので茶色っぽい色になっているのです。

うんちの色は食べたものの色にも影響されます。血のしたたるようなレアステーキやまぐろの赤身、鉄分の多いほうれん草やにらなどをたくさん食べると黒いうんちが出ることがあります。さらに、胃や十二指腸などで出血があるときもうんちは黒くなります。ドロッとしてコールタールのような黒いうんちだと潰瘍(かいよう)やがんの心配がありますから、早めに内科や消化器科に受診したほうがよいでしょう。
うんちが赤いときも要注意です。便全体が赤い場合は大腸からの出血が疑われ、大腸がんやポリープ、潰瘍性大腸炎などの場合があります。便の表面が赤い場合は痔の可能性が高いでしょう。

胃の検査でバリウムを飲んだ後には、白っぽいうんちが出ます。また、脂肪の多い食事をした後にも、白っぽいうんちが出ることがあります。ほかに、肝臓や胆のう、膵臓などに異常があるときにもうんちは白っぽくなりますから、注意しなければいけません。

健康なら、あまり強いにおいはしない

うんちはくさいもの、と思い込みがちですが、健康なときには強いにおいはあまりしないものです。しかし、動物性たんぱく質を多くとるとにおいは強くなります。たんぱく質のなかのトリプトファンという必須アミノ酸が、消化管の中で大腸菌によって分解されるときにできるインドールやスカトールという物質によってにおいが起こります。においが強いなと感じたら、野菜を多くとるようにしましょう。

生臭いにおいがするときは、消化管のどこかで出血が起こっている可能性があります。うんちの色のところでも述べましたが、黒っぽいときは胃・十二指腸潰瘍が、赤い血が混じっているときは大腸がんなどの病気が原因になっていることがあります。気づいたらできるだけ早く消化器の専門医に診てもらいましょう。

(編集・制作 (株)法研)
※この記事は2014年2月に配信された記事です